後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

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「帰る家があるって、 やり直せる家族がいるって、 幸せなことだよ」 「うん……」 綾は深く心に刻み込むように微笑んだ。 ひんやりと冷たい白い頬に最後の涙が流れ落ちる。 透はそっと立ち上がる。 綾は瞳いっぱいに涙を滲ませて、透を見上げた。 「透くんは私と似てるって言ったけど、全然似てないよ。 たくさんありがとう。 そしてたくさんごめんなさい」 綾は自分がしたことの過ちを忘れないように、 そして自分自身に言い聞かせるように、 最後の言葉を繋いだ。 「バイバイ……宮瀬くん」 車いすのブレーキを解除する音が聞こえた。 しっかりと耳に受け止めて、 綾の背中が視界に映ると同時に、 透は踵を返して歩き出した。 .  
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