後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

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テーブルの隅々を埋め尽くす豪華な料理。 自分の大好きな手料理ばかりだ。 その中央には、苺をふんだんに使用した 大きなショートケーキがある。 プレートに書かれた文字を目にした瞬間、 弾けるように玄関を飛び出した。 どうして忘れ去ることができたのだろう。 12月23日の今日は、 27回目の誕生日だった。 それだけじゃない。 もっと大事な、 かけがえのない日が、待ち構えていたのに。 “ああ、大丈夫だよ。 そこまで立て込んでるわけじゃないから。 でも、急に改まってどうしたんだよ?” 出張前のあの日。 せめて、 せめてあの日に気づいてあげていたら。
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