後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

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「あ、来た来た。 よっ、久しぶり」 電話の相手、相良春樹(さがらはるき)は、 会うなり茶目っ気たっぷりな笑顔を見せた。 「アポなしで尋ねてくるなんて、ほんとお前らしいな」  “あ、もしもし俺。 大学時代の友達の結婚式が今日新横であってさー、 それで、今あざみ野まで来てるんだけど、 宮瀬迎えに来てよ” 元同僚、そして元同期の相良とは、 彼が退職して以来の再会となる。 なのに、まるでつい昨日も会ったような言い草で、 平然と電話口でそう言うのだから、 こいつの自由奔放ぶりは何にも変わっていない。 「今朝、羽田に着いてから何度か電話したんだよ。 でも全く音沙汰ないし、 そうこうしていたら式に遅れそうになって、 とりあえず宮瀬への連絡は後回しになったってわけ。 その後もプラベの方に何度かかけたけど、 全然でないからさぁ。 一か八かもう一つの方にかけたら秒で出るし、 そっちこそ相変わらずだよな」
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