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「あ、来た来た。
よっ、久しぶり」
電話の相手、相良春樹(さがらはるき)は、
会うなり茶目っ気たっぷりな笑顔を見せた。
「アポなしで尋ねてくるなんて、ほんとお前らしいな」
“あ、もしもし俺。
大学時代の友達の結婚式が今日新横であってさー、
それで、今あざみ野まで来てるんだけど、
宮瀬迎えに来てよ”
元同僚、そして元同期の相良とは、
彼が退職して以来の再会となる。
なのに、まるでつい昨日も会ったような言い草で、
平然と電話口でそう言うのだから、
こいつの自由奔放ぶりは何にも変わっていない。
「今朝、羽田に着いてから何度か電話したんだよ。
でも全く音沙汰ないし、
そうこうしていたら式に遅れそうになって、
とりあえず宮瀬への連絡は後回しになったってわけ。
その後もプラベの方に何度かかけたけど、
全然でないからさぁ。
一か八かもう一つの方にかけたら秒で出るし、
そっちこそ相変わらずだよな」
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