後悔という名の代償 Toru Miyase‐4

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「なんか、リビングだけやけに散らかってんね」 相良は荷物を床に置くと、ぼそりと呟いた。 リビングのテーブルはパソコン一台と、大量の資料がまばらに散らばっている。 ソファには脱ぎっぱなしのスーツとネクタイ。 相良の言う通り、リビングだけやけに生活感に溢れている。 それもそうだと思う。 百々子と別れてから、主にリビングで過ごすようにしていたからだ。 二人の仕事部屋はもちろん、寝室にも足を運ぶことができずにいた。 「見過ごせって言ったろ。 さっきまで仕事してたんだよ。 とりあえず適当に座って。 すぐ片づけるから」 透は冷蔵庫から飲み物を出してリビングに向かうと、 相良は食い入るように資料を見ている。
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