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「おい、勝手に触んなよ。
それ俺がまとめた大事な見取り図で、」
「なんだよ、これ」
相良は書類を差し出すように見せた。
珍しく真剣に怒っているので、透は答えに窮する。
「これ、例のプロジェクトだろ?
お前今、こんなことやらされてんのか」
無駄な誤謬を繰り返すだけの、不毛なプロジェクト。
相良が在籍していたときからそんな風に揶揄されていたので、直接携わっていない社員でもプロジェクトの内容は当時から筒抜けだった。
相良は書類を一目見ただけで、
透が置かれている状況をすぐに察したのだろう。
「仕方ないだろ。
上から頭を下げられてまで頼まれたら、断れるわけがない」
「でも、これがお前のしたいことなのかよ」
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