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どうしてこうも痛いところを突いてくるのか。
なんでこいつは見過ごしてくれないのか。
今の透には、相良の口出しは水を差されているようで耳が痛かった。
心を読まれたくなくて、何事もないようにふっと笑う。
「別に、大丈夫だけど。
どうしたんだよ、さっきから真剣な顔して。
らしくないけど」
透の澄ました表情を見て、相良のこめかみがピクッとする。
「よく言うよ。
この世の終わりみたいな顔してたくせに。
心配してるんだよ。
宮瀬、どこに向かおうとしてんの?
彼女のことだって、俺に触れてほしくないみたいだけど、
お前の心中筒抜けだから。
部屋のカーテンとか、ところどころ置いてある観葉植物とか、
お前が到底使いそうにない小物だって、
どう考えても彼女が選んだものじゃん。
何で別れたのにそのままにしてあるんだよ。
どうせもう終わったことだからとか言い訳でもするんだろ。
どこがだよ。
お前の中では全然終わってないくせに」
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