後悔という名の代償 Toru Miyase‐5

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透は携わったことはないが、過去にシステム開発の依頼を何度か受けている経緯があること、規模は小さくても大事な取引先でもあるとのことだった。 「小さな不具合でもできる限り受けるようにしているんだ。 宮瀬、たしか通勤路線は田園都市線だったよな。 帰り道がてら寄ってくれないか? そのまま直帰していいから、今日はゆっくり休んだらどうだ」 ひたすら働かせるしかない部下を気遣う、部長なりの心遣いなのだろう。 少し気後れしたが、部長の好意を無下にすること自体失礼だ。 透は部長の好意に甘えることにして、会社を出た。 クライアント先に着き、早速PC環境の改善に努める。 案件内容はメーラーやインターネット接続の不具合だったので、それほど時間はかからず、一時間で切りあげることができた。
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