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一階とは違って、二階は恐ろしいくらいしんとしている。
透以外、誰もいない。
バルコニーの手すりに腕をついて寄りかかる。
ライトアップされたテラスは、遠くに広がるベイブリッジの明かりが目立ってとても綺麗だ。
長らく見ていなかった懐かしい景色に、透は胸が切なくなった。
「やっぱり、ここにいた」
背後から届いた声に振り向くと、涼と真人が困ったように優し気な目をして微笑んでいる。
「気づいたらいなくなってたから、もしかしてと思って。
……少し酔ったか?」
涼は心配そうに眉間に皺を寄せる。
「いや、ちょっと風に当たりたくなってさ。
気持ちいいな、ここ」
ふっと口元をほころばすと、涼と真人は安心したように頬を緩めた。
その表情を目にした瞬間、透の胸に熱いものが込み上げてくる。
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