後悔という名の代償 Toru Miyase‐5

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「ああ……。 俺はみんなにぞんざいなのに、 どうしてそんなに優しいんだよって、本当に頭が上がらないよ」 「ぜんぶお前が築いてきた人間関係だよ。 透が思っている以上に、周囲は優しいんだ。 だけどそれはすべての人に共通しているわけではない。 透だからみんな優しくしてくれれるし、味方になってくれるんだよ」 涼に賛同するように、真人も頷いた。 透は深く深く、涼の言葉を噛みしめる。 この歳になって気づかされるなんて、どれほど希薄な生き方をしてきたのだろう。 「……菜穂が気にしてたよ。 ”ミヤを傷つけた”って、後悔してた。 ”ごめん”って」 「高野は当然のことを言っただけだよ。その通りだと思った。俺は百々子を切り捨てたんだ」
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