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一通り説明した後、
相良は想像以上に重たい表情をしていた。
思いのほか内容がヘビー過ぎたせいだろう。
「……幸せにできる自信がない、ね」
相良はまるで遠い記憶を思い出すかのように呟いた。
「それで身を引いたってわけか。
なんだよそれ。結局は自分が傷つくのが怖いんだろ」
毒づいた相良はとことん容赦がない。
「……相良には分からないよ」
易々と別れを決めたわけじゃない。
簡単に言葉で言い表せられるものではないのだ。
透のぼやきに、相良が聞き捨てならんと言わんばかりに反論する。
「あのね、俺だって幸せにできる自信なんて全くなかったよ。
結婚だって、嫁の両親からめちゃくちゃ反対されてたし」
意外すぎる返答に、透は目を丸くする。
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