後悔という名の代償 Toru Miyase‐5

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「その言葉にめちゃくちゃ勇気をもらった。 だから俺も絶対に曲げたくないって思った。 ちょっとやそっとのことでは絶対に諦めてやんないし、 認めてもらうなら何だってしてやるって決意したんだ。 なんせ俺はしぶといからね」 相良はへへっと笑う。 「今では、反対されたことが嘘のようにすべてが丸くおさまってるよ。 お義父さんやお義母さんもよく気に掛けてくれるし、 孫の顔が楽しみだ―って、テレビ電話で嬉しそうに話してる」 きっとそうなるまで、相良は懸命に立ち向かったのだろう。 もがいて、あがいて、それでもめげずに立ち進んだのだ。 じっと何かを考え込む透を諭すように、相良は言葉を紡いだ。 「結局人は、幸せに帳尻合わせにできる生き物なんだよ。 どんな苦しみや困難でも、最後はすべてがよかったって思える日が絶対にくる。 一人だったら重たい荷物が、二人で持てば軽くなる、そんな風にね」 .
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