239人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、昼下がりの午後、透と相良は一つとなりにあるたまプラーザ駅にいた。
羽田空港行きの連絡バスが運行されており、南口が停留所となっている。
「電車よりバスのが乗り換えないし楽だから案内して」と言われた通り、自由気ままな相良の要望を応えるためにやって来たのだ。
昨日の気まぐれな天気が嘘のように、
空は雲一つなく青色に澄み切っている。
相良が販売機で切符を購入していると、
そうこうしているうちにバスが到着した。
列に並んだ乗客が次々と係員に荷物を預けて、
バスの中に消えてゆく。
「もう時間か……。
楽しい時間はあっという間ってほんとだね」
大型バスを横目で見ながら、相良は寂しそうに笑った。
最初のコメントを投稿しよう!