後悔という名の代償 Toru Miyase‐5

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「急に尋ねたのに、いろいろよくしてくれてありがとね。 久しぶりに宮瀬と飲めて楽しかったよ」 昨夜――あの後、仕切り直すように相良と乾杯した。 酒を飲みながら、くだらない話、真面目な話、大半は相良の話を聞くというスタンスだったけれど、とにかくいろんな話をした。 「礼を言うのは俺の方だよ。 遠いところありがとな。 気をつけて帰れよ」 あんなにたわいもない話をしたのはいつぶりだろう。 百々子と別れてから、いつの間にか誰かと会話することを諦めていた自分に気づく。 すると、相良は表情を引き締めた。 「……昨日、どこに向かおうとしているのかって聞いたろ? 宮瀬が絶賛迷走中であることは話を聞いていてわかったよ。 どんな思いで、彼女を手放した理由もね。 でもな、お前はまだ肝心なことに気づいていないし、 受け止めることもできていない」 透はどきっとする。 一体何を指しているのはわからなかったが、 心臓が妙に落ち着かない感じがした。
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