後悔という名の代償 Toru Miyase‐5

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「それに気づいて、受け止めて、 やっと自分の気持ちを整理できたとき、 宮瀬が向かう方向が見えてくると思うよ」 相良は真剣な表情を崩して、 白い歯を見せる。 透は真顔のまま、答えることができなかった。 背後から「すみません、そろそろ出発します」と、係員の声がした。 「あ、乗ります。 じゃあまたな」 慌ててバスに乗り込む相良を目で追いながら、 もらった言葉を反芻して胸のうちにおさめた。 やがてバスのエンジンがかかる。 その場を動かずに見守っていると、 唐突にバスの窓が開いてぎょっとする。 言い忘れたことを思い出したかのように、 小さな隙間から顔を覗かせたのは相良だ。
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