最終章② 18歳、冬

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「ごめんなさい……違うの」 顔を覆っていた手を外し、潤んだ瞳で透を見つめる。 気がつけば、百々子の口から自然と言葉が滑り出ていた。 「透が好き……大好き」 透は目を大きく見開き、動きを止める。 涙はとどまることなく百々子の頬を伝っていく。   大きくて優しい手が百々子の頭に伸びてきて、広くて温かな胸に引き寄せた。 「……うん。俺も百々子のことが好きだ。 付き合おう、俺たち」 百々子が微かに見上げると、透の指が頬に伝う涙の滴をそっと拾い上げる。 そのままゆっくりと顔が近づいてきて、ゴンドラが頂上に達したとき、二人の唇が重なった。
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