最終章② 18歳、冬

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高校卒業まで残り四カ月を切った。 クラスメートの中には、ちらほらと就職の内定が決まっている者もいたが、過半数は大学や専門学校への進学を希望しており、もちろん百々子も大学を受験するつもりでいた。 本当は私立の学校を第一志望にあげていたが、私立は国立に比べて金銭面の負担が大きい。 その分母親に負担をかけてしまうことになる。 それに、万が一落ちてしまって、浪人するような余裕もない。 そう思って別の道も視野に入れ始めたとき、母親が釘を刺してきた。 「私のせいにして受験から逃げるんじゃないわよ。 お金のことなら、娘に心配されるほど落ちぶれていないからね。 そんなこと気にする暇があるなら、勉強しなさい」 母親は百々子のことを最優先に考えてくれた。 離婚後も月岡の姓を変えなかったのも、自分の世間体どうこうではなく、百々子のためだった。 そんな母親の想いに応えるように、第一志望の学校をめざし、勉強に励んだ。
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