最終章② 18歳、冬

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15分後には、夢のような時間が終わってしまう――。 このまま時間が止まってしまえばいいのに……。 叶うはずもないのに、そう強く願った。 「……明日、クリスマスイブだね」 まもなくゴンドラが最高点に到達しようというとき、百々子はようやく口を開いた。 「……あの子と会うの?」 脳裏に、恥ずかしそうにはにかんでいた女の子の姿が蘇る。 透はその言葉の意図をすぐに理解したのだろう。 少しムスッとした表情で、不機嫌そうに答えた。 「会うわけねぇだろ。 はっきり断ったし」 「……どうして?」   そう尋ねておきながら、心の底ではほっとしていた。 すると透は、歯切れ悪く答えた。
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