最終章② 18歳、冬

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「どうしてって……お前のことを悪く言ったから……俺につきまとっているとか、ありもしないことを」 「……」 百々子はぽかんと透を見つめる。 透はますます言いにくそうに、顔をそらした。 「あの女何も知らないくせにさ。 百々子のことを悪く言う女と付き合いたいと思うわけねぇだろ」 その言葉を聞いた瞬間、ポロポロと大粒の涙が目から溢れ出した。 「おい、どうした!? 俺、何かまずいこと言ったか!?」 透は慄いて、慌てて立ち上がると、百々子の前にしゃがみ込んだ。 華奢な肩を震わせながら声を押し殺して泣く百々子に近づいてみるものの、どうしたらいいのかわからないといった様子で、あたふたしている。 百々子は両手で顔を覆ったまま、首を大きく横に振った。
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