1:帰宅

3/3
前へ
/33ページ
次へ
 今し方告別式から実家に帰ってきた私は、とりあえず自分の部屋に向かい手荷物をベッドの脇へ置いた。その中の一つに真己のお母さんから手渡された物があり、私はそれを手にベッドへ腰掛けた。  小さめの紙袋の中身は何かのプレゼントのようだった。  私はまだ開封する気にもなれず、くるくると色んな角度でそれを見つめる。そして軽く息を吐いて物に語りかけた。  そのプレゼントが真己からの物だからだ。 「8年も一緒にいたんだしさぁ、家族同然の間柄なんだから、私にくらい言ってもいいんじゃないの?」  もちろん返事はない。私は深くため息をついた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加