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真己はいつも私の先を歩いているような気がした。世間では女性の精神年齢の方が高いと言われがちだが、私たちの場合は当てはまらないと思う。第一印象こそ最悪だったものの、真己は自然と人に好かれる気質を持っていた。
第一印象……そう、真己は初対面にもかかわらず、私に向かって「ブス」などという暴言を吐いたのだ。いくら照れ隠しに言ったとはいえ、ショックは大きい。どれくらいかというと、15年近く経った今でも忘れていないくらいだ。
それはともかく。
7歳の時の私は、「父と離れて暮らす」か「新しい学校で頑張るか」の選択に迫られていた。つまり、父の転勤で引っ越すかどうかを決めようとしていたのだ。
父と離れて暮らすよりかは、まだ一年しか通ってない学校を切り捨てることを選んだ私だったが、それでも緊張はかなりのものだった。そこへ隣家となった真己のあの発言である。私は登校初日にして、早くも挫折してしまった。
始業式の時間が刻々と迫るにつれて、私の抗議の声も大きくなっていった。母にしがみついた私は、涙ながらに学校へは行きたくないと訴えたのである。当日になって突然反発した娘に、両親は困惑の色を隠せない。なんとかなだめようとするが、全部無駄に終わっていた。
そんな時、家のチャイムが鳴った。
こんな朝早く一体誰だろう?と、疑問を抱いた声色で母はインターホンに出た。
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