2:最悪な第一印象

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「隣の三宅(みやけ)です。えっと、菜々子ちゃんを迎えに来ました」  幼さを感じる話し方に、母は弾むような声で返事をし、ランドセルを片手に私を玄関まで連れ出した。諸悪の根源には会いたくないのに。しかし私の気持ちなどおかまいなしに、二度目の対面を強いられる。 「いってらっしゃい」と明るく送り出す母とは裏腹に、私は不機嫌な顔をして歩き出した。そんな私に真己は躊躇いがちに声をかける。 「昨日、ごめんな。本当はあんなこと思ってないから」  謝ってくるなど予想もしていなかった私は、一瞬驚いたものの、口ではもう気にしていないと答えていた。もしかしたら、そんなに悪い奴じゃないかも。  真己は私の許しが得られるやいなや、ぱっと笑顔を咲かせた。 「何かわからないことがあったら俺に聞けよ。力になるから」  本当に悪い人じゃないかも。  我ながら単純である。
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