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その罪とは
-神に逆らい人間の命を延ばした
それは下界を見下ろしていたとき。ベッドに青白い顔をして寝ている女性とその女性の手を握りしめる男性と子供。
二人は泣いていた。
目を凝らすと寝ている女性のそばには死を司る神が見える。この女性は時期に亡くなる、手を握っているのは家族だろう。
僕はその家族から目を離せなかった。
泣いて、名前を呼びつつけているその姿を見て、つい力を発動させた。
もちろんそれに至るまで悩んださ。
死を司る神がそばにいるのに、光の神に仕える天使でしかない僕がそれを遮っていいのか。
だけどまだ若い母親を見殺しにしたらあの父親と子供はどんな気持ちになる?
ルールなんて頭から綺麗さっぱり捨て、母親の命を延ばした。
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