【天使ではない僕】

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【天使ではない僕】

「バスタオル置いておくよー」 「ありがとう、白石さん」 僕は本当に彼女、白石佳代さんの部屋で居候するとこになった。 今はすっかり冷えた体をシャワーで温めている。 チラッと鏡を見てみると…やっぱり翼は片方しかない。 白石さんを救って天界に帰れればいいのだが。 「温まった、天野君?」 白石さんはソファーに座ってお茶を飲んでいた。 僕には名前がない。いや実際には『クリエドナ』という名前はあるけどそれは今の見た目にはおかしい。 白銀の髪は今では黒で、緑色の瞳だったのも髪と同じく黒かった。 これも追放された証拠になる。 白石さんに名前を聞かれて出た名前が『天野司』 追放されても僕は神への忠誠心、天使の誇りをバッサリ切り捨てたくない。 だから天野-天を、司-司る、という名前にした。
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