【天使ではない僕】

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同居生活はなかなか楽しい。 白石さんがいつも笑顔でとても美味しいご飯を作ってくれる。 僕はお返しのつもりで後片付けをしたら見事にお皿を一枚割ってしまった。 怒られると思ったらお腹を抱えて笑っていた。 理由を聞くと悪さがバレて耳と尻尾が垂れている犬みたいなんだもん、と言われた。 犬…、まあ犬でもいいか。白石さんが笑ってくれるなら僕は犬でも猫にでもなってやる。 その晩、お風呂から上がった白石さんはスマホを触っていた。 スマホ、電話だけじゃなくて色々な人と繋がれる便利な道具らしい。 頻繁に動いていた白石さんの指が止まった。 そしてそっとスマホを手から放していつものオレンジ色のカップに口をつけた。 どうみても様子がおかしい。 悲しみの香りがする。今まで感じなかった香り。 「どうか、した?」 答えはしばらく返ってこなかった。僕は胸が締め付けられる思いになってそっと歌を歌った。 今は悲しくてもいいよ 悲しみは永遠ではないから 思い出してごらん 空羽ばたく小鳥たちを見て そっと笑ったあの日のことを 幸せは形を変えて 永遠に続くものだから
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