13.恩人

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元気な女の子に少しホッとして見つめると。 女の子は返事と同時に勢いよく家に向かって走り出す。 その先にはおじいさんがいる。 「危ないっ!!」 女の子とおじいさんがぶつかると思った瞬間、女の子はおじいさんをすり抜けそのまま玄関から家に入っていった。 “そっちは、それかい!!” 「どうしたの?」 突然叫んだ私に驚いて妻が聞く。 「あ、いや何でもない。ごめん。」 やはりわからない。もう、全然区別がつかない。 軽くパニックだ! 生きている人間と霊の違いが、さっぱりわからない。 海で助けたあやという子も霊が見えるのなら区別はつくのだろうか? 私と、妻や子供たちは何処か違って見えたのだろうか? 区別がつかなければ・・・・・・ “大変だな。” 彼女のことを考えてふとそう思った。
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