14.感謝

3/15
前へ
/283ページ
次へ
ふすまを開けると・・・ 昼間と同じ所に、同じ格好で親父がうちわを仰いでいる。 いつの間にかラジオも切れている。 薄暗い中、電気も着いていない。 “当然か。” 私は電気を着けることなく親父の横に座った。 昼間置いたグラスがそのままになっている。 しかし、昼間ついだはずのビールは無くなっていた。 私は少し微笑むと、持ってきたグラスに新しくビールを注いだ。 「はいよ、冷たいの。」 そう言って親父の前にグラスを置く。 次いで持ってきた自分のグラスにも。 それから、ラジオをつけて局を親父のファンの球団の試合に合わせる。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加