14.感謝

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食事はいつになく賑やかだった。 「これ、俺が釣った奴じゃない?一番大きいし!」 「は?俺が釣った奴の方が大きいし!」 「俺が釣った奴は俺が食うからね!」 「は?じゃあ、父ちゃん食えねえし!」 「それじゃあ、ばあちゃんもだろ!」 どうでもいい会話と聞き流しつつも私は突っ込んでしまった。 「意外と楽しかった。また今度も行こうよ父ちゃん。」 幸太にしては珍しい反応とお願いだ。 「あぁ、そうだね。・・・・・・また、行こう。」 “また今度” 本当なら実にいい響き。そう、また今度のある人には。 私は嬉しさと悲しさが同時にこみ上げたが、答えた返事に嬉しさは表現できなかった。 楽しかった、この時間が永遠に続いて欲しかった・・・・・・。
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