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1.プロローグ
「綺麗だな・・・・・・」
私は呟いた。
目の前を無数の蛍が飛んでいる。
大小様々な大きさの、緑色の光を放ちながら蛍が飛んでいる。
幻想的なその光は皆一様に同じ方角へとゆっくりと流れていく。
弧を描くもの、波打つもの、一直線に飛ぶもの。
個々が自由に動きながらも光達は同じ方角へ流れる。
私はその光に囲まれる中ゆっくりと歩いていた、光が一様に流れる中を。
しかし、私だけは蛍たちの進む方角ではなく逆方向に進んでいた。
蛍の光以外は何も見えない、暗い中を歩いてゆく。
蛍が何処から来るのか気になるのか?
向こうに何か感じるのか?
理由は分からないが何故かそっちに行かなければいけない気がする。
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