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やがて、水たまりの深さが太ももまで来ていた。
歩くのもたまに流れに足をとられる。
“流れ?水たまりに?”
どうやら水たまりと思っていたこの水は・・・・・・
私は川の中を歩いていた。
緩やかではあるが確かに水の流れを足に感じる。
進行方向の右側からやや強い流れを感じる。
どうやら右側が川上なのだろう・・・・・・がどうでもよかった。
上空に飛び交う蛍の光は、流れで揺れる水面を照らす。
私は泳ぎは得意ではない、いやむしろ泳げないと言っていいほど。
しかし、私はそんなことは全く気にせず深くなる川の中を進んだ。
もう少しで、自分が目指している場所に行けそうな気がした。
そこが何処なのか、
何を目指しているのかなど全くわかっていないのに・・・・・・
気持ち、川の深度もさっきより浅くなってきているようだ。
”川を渡りきれる。”
一時は胸まであった水は今では膝まで浅くなっていた。
対岸が見えるわけではないがそんな気がした。
そろそろ水から抜けられると思っていたその時、
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