1.プロローグ

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突然、私の右手を誰かが掴んだ グイッっと強い力で進行方向とは反対方向に引っ張られる。 歩を邪魔される。 もう目の前に答えがある気がするのに。 目指すところがそこにある気がするのに。 「ちょっと、何すんだよ!」 私はやや怒りにも似た感情で思わず叫んだ。 視線が掴んだ腕をたどり相手の顔を見上げる。 だが、暗くて顔がよく見えない。 いや、正確には顔がぼんやりと光っている。 すぐ目の前にいるのに顔が見えない 私は目をこすった。
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