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今度は、はっきりと聞き取れたその言葉。
「何言ってるんですか？……ここが映画館だってこと、分かってます？ 」
「分かってる……でも、これだけ空いてるんだからどうせ誰も見てないって」
「そんなの、分からないでしょ？……ん、っ！ 」
引き寄せられたかと思うと、いきなりのディープキス
私の太腿を這う久我さんの大きな手のひら
映画のストーリーが全然、頭に入ってこない……
「……もう、何……してるんですか……」
ようやく解放された私
キスに痺れた身体は全身の力と私の心を奪い
整わない呼吸で、そう言い返すのがやっと
「小夜がこんな可愛い格好してきたのが悪いんだよ。
だから、お仕置き。
……あーあ、
映画館より俺の部屋で、DVD鑑賞会にしといたらよかったな
そしたら今すぐ襲えたのに……」
ね？ と、憎らしいぐらいに可愛い笑みで小首を傾げる久我さん
(もう……狡すぎる)
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