第2戦 ぼくとしゃぼん玉

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お湯に身体をつけて 上半身を湯船から出し洗面器にお湯、 手の届くところに石けんを用意すれば準備 OK!! まずボディソープを手のひらにのせる そこにほんのちょっと、ちょっとだけ 水を入れてまぜる。 この時に泡が立つほどまぜると うまくいかない。 そして手のひらにまんべんなく 石けんを広げたら 右手と左手の親指と人差し指同士を くっつけて一度閉じた輪を開くと 透明な膜ができる。 そこにフーっと軽く息を吹くと ふわりと透明なボールができる。 そして輪っかをキュッと閉じれば それはもう立派なしゃぼん玉だ。 手のひらに乗せた大きなしゃぼん玉。 それに向かってかるーく息を吹くと 手から離れて ふわりふわりと お風呂場の中をさまよう。 ぼくはここ数日、しゃぼん玉を 作るのに夢中だった。 作るのにシャンプーはあまり 合わない。 できればボディーソープが 一番いい。 初めは片手で作った輪っかで しゃぼん玉を作っていたが 大きさに限界があるので 両手でやることにした。 幼稚園の頃に緑のストローみたいなの で作っていたしゃぼん玉とは サイズも違う。 そしてその小さな奴らよりも もっと壊れにくい!! ぼくはあまりに素晴らしすぎる 物を作ってしまったことに 大興奮だった。 毎日毎日お風呂が楽しみで 仕方がなかった。 今日もそれは同じ。 早く兄ちゃんがお風呂から 上がらないかなぁ~と るんるんと宿題を済ませていた時だ 「ひろー、風呂入るぞー」 兄ちゃんの声だ。 今日はやけに早いおよびだ。 だがしゃぼん玉が作れることに るんるん だったぼくは 気がつかなかった。 「風呂に入るぞ 」と、言った 兄ちゃんのいつもと違うセリフに…
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