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「ひろー!入るぞー!」
次の日兄ちゃんはやけに
テンションが高かった。
それとは違ってぼくのテンションは
最高に低かった。
入ります入ります…
今日も遊ぶことができないだろう。
そんな楽しくもないお風呂に
なんの意味があるんだろうか…
のろのろと風呂に向かうと
兄ちゃんはもうお風呂に入っていた。
「遅かったなー!作るぞ!」
昨日と違ったのは
兄ちゃんはすでに沢山のしゃぼん玉を
作っていた。
そして手には
「…え?ストロー?」
兄ちゃんはストローをもって
ニッコリと笑っていた。
ぼくは瞬時に理解した。
兄 ち ゃ ん は な か ま だ ! !
服を脱ぎ捨てて
さっそうと湯船に向かった。
さっきまでの沈んだ世界は
まるで嘘のようだった。
兄ちゃんはぼくよりも手が大きい。
手だけでぼくよりも大きな
しゃぼん玉を作り上げた。
それだけでもテンションがあがる。
すると兄ちゃんはぼくに
両手にしゃぼん玉を用意して待つ
ように言ってきた。
ぼくは言われた通り
片手ずつでしゃぼん玉を作って
両手の手のひらにしゃぼん玉を
乗せて待っていた。
すると兄ちゃんはしゃぼん玉を
作ってふわふわと空気中に
ただよわせた。
「お前の手のひらのしゃぼん玉で
このしゃぼん玉を弾いてみな。」
ぼくは兄ちゃんの言っている意味がわからなかった。
見かねた兄ちゃんが自分でも
しゃぼん玉を手のひらに乗せて
浮いているしゃぼん玉が落ちてくる
場所に手のひらをセットした。
しゃぼん玉でしゃぼん玉を受け止める
気なのだろうか?
そんなことをしたらきっと
二つとも割れてしまう。
せっかく作ったのに。
だがしゃぼん玉は予想外の
動きをした。
しゃぼん玉をしゃぼん玉に当てると
まるでトランポリンのように
跳ねるのだ!!!
うわぁぁあ!!!!
ぼくはこんなにもワクワクとした事は
今まできっとなかった。
ぼくはにいちゃんとしばらく
しゃぼん玉でバレーボールのような
ものを楽しんだ。
たまにしゃぼん玉は合体して
大きなシャボン玉になる。
それも楽しくてぼくはさらに
テンションがあがっていった。
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