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僕は問いかけを無視するように、目を閉じる。
次の瞬間だった、腹部へと強い衝撃と痛みを感じた。
「ゲホッゲホッ…な、な、な…」
驚いて目を開けると、少女の顔が目の前にある。
落ちて来たのだ。
僕の腹に向けて、垂直に。
「れでぃーのはなしをむしするなんて、いいどきょうね。」
大人を真似しているような喋り方。
くっきりとした二重に、小さな泣きぼくろがチャーミングな子だ。
「はなしたいことがあるんでしょ?」
柔らかな風が少女の肩まである桃色の髪を揺らす。
「今更になって…話したいことなんか。」
「ウソつき」
少女は真剣な目でこちらをじっと見つめる。
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