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無邪気という名の…煌めき持つのは、キミと、私。‐1
「千波叶羽って、実際どういう奴?」
放課後の教室でまったりトークをしてる中、友達の一人が何気無しにそう言ってきて、七井光也は確かに同じクラスなのに全然知らないままな彼女の事を不思議がったのだ。
中学一年生。――光也の中では義務教育なのだから平日には学校に来て当たり前なのにと、そういう思いが前提として有る。
「不登校なんだから、滅茶苦茶不良なんじゃねーの?」
別の友達が適当な事を口にして、ちょっとした笑いは起きた。
「家でゲームばっかりしてるとかもあり得るんじゃないか? 光也みたいに」
突然自分に会話のバトンが渡されて、その浮ついた言い方にはムッとする。
「俺は学校にはちゃんと来てるっての」
ジト目で言い返すと、周りは軽く苦笑いをして見せた。
「冗談だろー。でもゲームばっかりって所には別に突っ込まないのな」
「だってあの狩りゲーやり込み要素多いから、ついダラダラやっちゃうんだよ」
光也が言った狩りゲーとは、端的に言えば『気軽に何度も繰り返し遊べるのが売りのアクションゲーム』の事だ。彼にとってはゲームの楽しさが友達の嫌味に勝るのだろう、だからそんな答え方になる。
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