最終バス

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あの並木道の向こうに、自分が出た小学校があるから、並木道のことは今も忘れないし、思い出深い。 毎日数人の友達と、この並木道を通って学校に通ったし、帰りには騒ぎながら帰った記憶がある。 その友達もとうにみんな死んでしまったが、しかしあの並木道を見ると、友達の顔がはっきりと脳裏に浮かんでくる…。 今も忘れられない。 しばらくバスは、まるで他の車が通らない暗い道を、静かに走行していくばかりだった。  夜の闇はさらに濃くなっていく。 トンネルを先程通り越してから、乗客の人数が増えたような気がするが、しかし自分が乗ってから、あれから一度もバスは停車していないし、きっとこれは気のせいだろう。 窓から見える風景も、遠くにイルミネーションが見えるだけだったので、ちょっと風景を眺めているのにも飽きて、鞄からノートを取り出して、自分の日記を読んでみることにした。 色んなことが書かれているが、どこにも楽しい日々のことや、光輝いていた時間について書かれていて、たいへん懐かしく感じた。     
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