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昔から、自分は少し違うかもしれないという不安を抱えていた。
それは、体育前の更衣室、部室での着替え、修学旅行や宿泊研修といった場面。
楽しそうにしている同級生の裸を見る度、俺はドキドキしていた。
顔を赤くして戸惑う俺を見た同級生が、「恥ずかしいのかよ」と茶化すから、俺はこれ幸いとそういう事にした。
言えなかった。着替えている彼らを見て、性的に興奮を覚えたなんて。
大学二年、俺は今でも自分の性癖に戸惑い、他との違いに不安を抱きながらもひた隠しにしている。
試しに同級生の女子とも付き合ってみたけれど、興奮はなかった。気持ち悪いとか、嫌悪があるとか、そんな事もなかったけれど「抱きたいか?」と聞かれると答えは「いいえ」だ。
そして相変わらず、同姓に対しては興味と好奇心と興奮がある。想像するだけで言いようのない熱が体の中を駆けるようだった。
「先輩、飲んでますか?」
新歓コンパで俺の隣りに座った一年が、屈託なく話しかけてくる。
まだ高校生のあどけなさも残る一年の香坂匠は、何故か俺に懐いている。
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