第一話:Siren & the Spooky Kids

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○同・ステージ手前    ローチ,ステージから落ちるが,受け身を取りながらステージの方を向く。 サイレンの声「無駄よ」    右からサイレンの声がする。右に向き直るローチ。 サイレン「あなたに私は捉えられない」    ローチの後ろにいるサイレン,その表情は苦悶に満ちている。    振り向きざまに左裏拳を飛ばすローチ,裏拳は空を切る。 サイレンの声「許さない,絶対に」    ステージを向くローチ。彼の視界がサイレンを捉えるが,”精神汚染感知”,”警告”    ”義体機能不全”の表示。 ○同・ステージ    サイレン,眼下のローチを睨みつけている。ローチの体はその場に立ち尽くして    いる。サイレン,嘲るように, サイレン「どう?体だけ動かなくなる気分は」 ○同・ステージ手前    ローチ,ピタリと動かないまま, ローチ「おまえ,喋りすぎだ」 ○同・ステージ    サイレン,大きく目を見開く。 サイレン「減らず口はそこまでだ!」    サイレンの体がステージから消える。 ○同・ステージ手前    ローチの頭上へと瞬間移動したサイレン。その目に迫り来るローチの拳が映る。    サイレンの顎にアッパーカットを決めるローチ。サイレンの体が後ろに仰け反る。    落下するサイレンとローチ,サイレンの体が消える。ローチの体が左側へ飛ぶ。 ○同・下手側客席    瞬間移動したサイレン。そこへローチの飛び蹴りが襲いかかる。体を反らして回    避するサイレン。ローチの目が仮面越しにサイレンと合う。 ○CoCiD社・強制執行部発令室    二人の応酬をメインモニタのライブ映像で見守る一同。    サブモニタにはローチの視界が写し出されている。”魔法被曝:適正範囲”,”自動    追尾”,”冷却度:安定”の表示。画面右下では小さい文字の座標計算ログが高速で    更新されている。 C.I.DA「すごい,瞬間移動に追いついてる」    ヤマキ,腕を組んでいる。量子,メインモニタを見ている。 ヤマキ「奴が3年もの間我々の監視を欺けていたのはこの力があったからか」 量子「ただ,瞬間移動でもファイアウォールを通り抜けることはできないようです」 ヤマキ「おそらく,移動先に情報を伝播させる必要があるんだろう。今の奴はカゴの鳥も  同然だ」    
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