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C.I.DA,C.I.DB,呆然と立ち尽くすハースの元へ近づく。
C.I.DA「作戦失敗かな」
C.I.DB「おぬしの切り札の実力,とくと見せてもらった。役員会で会おうぞ」
何も言わないハースを尻目に発令室を出ていく二人。ヤマキ,ハースへ近づき,
ヤマキ「現地の結界士から,施設内で可動中の義体を発見したとの連絡が入りました」
ハース「あ,ああ」
ハース,ヤマキに連れられ量子のデスクに向かう。
ヤマキ「ヴァンガード・ゼロか?」
量子,食い気味に,
量子「いいえ,こちらの回線を知らないようです。恐らくサイレンです」
量子のデスクに映るドームの監視カメラの映像。そこにはよろよろと歩く一人の
結界士の姿がある。
ヤマキ「我が社の社員の義体だな」
量子「恐らく第一段階の作戦に参加していた結界士かと。ゴーストは完全に麻痺状態で
す」
量子,キーボードを叩く。ドームの断面図が表示される。
量子「地下の制御室に,市外にまで通じる送電線があります。送電線は地下を通って南
へ繋っています」
ヤマキ「奴め,自分のゴーストを送電線で逃がす気か!」
量子,ヘッドセットのマイクをつまみながら,
量子「みんなよく聞いて!術式6番の3項と12項をDCからACに変換して! そのあと,追
加された二つの術式を三相で結合して!いい?もう一度言うわよ!」
ヤマキ,口述で指示を出す量子を見て左手で口元を押さえる。そしてメインモニ
タに映る監視カメラの映像を見る。
○ライブ会場・制御室
乱暴にドアが開かれて,結界士の義体をのっとったサイレンが入ってくる。
ふらふらになりながら配電盤を探し当て,カバーを剥ぎ取る。
サイレン,人差し指を引き抜き,現れたむき出しの配線を配電盤に押し付ける。
サイレン「ううん!むむむ!」
全身に電流が流れ身悶える結界士の義体。その場に崩れ去る。
○同・ドーム外周
量子の指示に従って魔法陣を書き換える結界士たち。
結界士A「よし!局地ファイアウォール展開!」
○同・ドーム外観
ドームを包むファイアウォールの色が薄青色に変わっていく。
それからすぐに,ファイアウォールの南側に波紋ができる。
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