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C.I.DA「まあ,60年間彼がもたらしてくれた利益を考えれば,ちょっと厳罰すぎたかも
ね」
C.I.DE「彼にはまだやってもらうことがあるからな,それまでは,みなよろしくな」
C.I.DB「神さまの忘れ物は,はてさてどこにあるのかのぉ」
C.I.DB,椅子にもたれかかり,遠くを見る。
会議室の窓からはよく晴れた青空が見える。(O・L)
○堤防(昼)
座って川の方を見ている若い男性,会社から新しい義体を支給されたローチ(
20)だ。
広い河川敷の先に陽の光を浴びてきらめく水面を見える。じっと景色を見るロー
チ。
ローチの後ろにいた小鳥たちがさえずりながら飛び立つ。スーツ姿の男性が近づ
く。
男性の義体を操る量子(18)だ。
量子「迎えに来ました。ヴァンガード・ゼロ」
ローチ,何も言わず立ち上がる。振り返りざまに,
ローチ「ああ」
ローチ,量子の格好を見て少し驚く。量子,にこりと微笑んで,
量子「あなたと行動を共にするんです。せっかくだから服装も真似てみようと」
量子,ネクタイを締め直す。
ローチ「おれのことを,よく知っているようだな」
量子,振り返って歩き出す。
量子「あの日,あなたのナビをしていたのが私です」
ローチ,量子についていく。
堤防沿いの道に車が止まっている。二人がそこに向かって堤防を降りていく。
ローチ「女性だと思っていたが」
量子「念の為です。なんせ次の任務は京極ですから」
運転席に座る量子と,回り込んで助手席に座るローチ。
ヘッドライトが付き,車が走り去る。
量子の声「新品の体には慣れましたか?」
向かいの堤防を越えた遥か先に,天まで届きそうな巨大な建築物がいくつも見
える。
ローチの声「全然」
二人の会話,徐々に小さくなる。
量子の声「それにしても,ヴァンガード・ワンのゴーストを保存したまま戦ってたな
んて。部長,びっくりしてましたよ」
ローチの声「見つけたから助けただけさ」
量子の声「あはは,優しいんですね!」
終わり
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