第一話:Siren & the Spooky Kids

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○同・テレビ アナウンサー「続いてのニュースです。CoCiD社の定める規定に背く違反ヒューマノイ  ドの中で,最も重い刑罰が課される第一種違反人基に認定されている,通称サイレンさ  ん20歳がリーダーを務める,”サイレンアンドザスプーキーキッズ”による生誕10周年  公演が,ここホークアイランドのリブレードで昨日から行われています」(O・L) ○CoCiD社・強制執行部発令室・サブモニタ アナウンサー「約3年ぶりとなるこの公演は,史上最多となる10万人を動員,市内はの  ”サイレン特需”を好意的に受け止めています」    仁王立ちで腕を組み,サブモニタを見やる部長のヤマキ(46),直ぐ側のデスクに    座ってキーボードを叩く量子(17)に話しかける。 ヤマキ「社長から連絡は」 量子「あと5分で到着するとのことです。あの,私は・・・」    量子,心配そうにヤマキを見上げる。    ヤマキ,メインモニタへ向き直りながら答える ヤマキ「お前のことは俺が説明する」    メインモニタにはサイレン達のライブが映し出されている。 ヤマキ「奴は捕まったか」    量子,デスクのモニタに向き直りながら答える。 量子「まだ・・・受信はしているはずなんですが」    ヤマキ,左手で口元をおさえて, ヤマキ「わかった。連絡を続けてくれ」 オペレーターA「部長!社長が到着しました!」    ヤマキ,再び腕を組み直して後ろの扉のほうを見る。 ヤマキ「来たな・・・」 ○同・発令室までの廊下    大股でズカズカとあるく社長のハース(40)。直ぐ側を秘書が着いて歩く。 秘書「強制執行部から作戦開始の承認が来ています」 ハース「それは車の中で済ませた。好きにやれとな」 秘書「役員会からは,最小限の被害に留めるよう通達が来ています」 ハース「老いぼれどもめ!面と向かってそう伝えればよかったものを」    大声に驚いた社員をにらみつけるハース。 秘書「部長にまわしますか?」 ハース「後回しだ。それより,広報部に奴らのスポンサーを洗い出しておくよう言って  おけ。」    発令室の扉が近づく。    秘書がタブレットを閉じようとしたとき,たなメールを受信する。 秘書「役員会からです。自分たちも同席すると」 ○CoCiD社・強制執行部発令室    発令室の扉が自動で開かれ,ハースと秘書が入室する。 ハース「ええい,好きにしろ!そう言っておけ!」
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