第一話:Siren & the Spooky Kids

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   量子達がいるデスクに向かうハース。秘書は一礼して発令室を出ていく。    軽く頭を下げるヤマキと,立ち上がって深くお辞儀する量子。    ハース,ヤマキと量子の顔を見て, ハース「こいつはここの担当じゃないだろ」 ヤマキ「私が招集しました。相手が相手だけに,現場をよく知る彼女が適任だと」    ハース,フンと鼻をならしてメインモニタを見る。 ハース「この回線はどうした」    同じくメインモニタに向き直るヤマキ,左手で口を押さえる。量子はそそく    さと着席する。 ヤマキ「運営会社から購入した録画回線です」    メインモニタにはステージで歌い踊るサイレンとその仲間たちが写っている。 ハース「作戦開始はすでに許可したはずだ。部隊の突入はいつだ」 ヤマキ「作戦は数時間に既に開始されています。現在,部隊との連絡が取れていない状  況です」    ハース,ヤマキを見る。ヤマキは続けて, ヤマキ「展開した結界士,襲撃隊,強制執行員,全員の生存の確認が取れていません」 ハーズ「エスペランザだぞ!やつがヘマをしたと・・・」    ハース,ヤマキに詰め寄る。ヤマキ,ハースに向き直るが喋らない。    司令室の扉が開 く。ヤマキとハースが見やると,二つの人影が見える。 C.I.DAの声「やあ,発令室ってこんななんだね」 C.I.DBの声「皆若いのにご苦労じゃな」    小奇麗な格好をした少年と老人,C.I.DA(12)とC.I.DB(78)である。    二人はハース達のもとに向かう。発令室全員が二人を見る。あちこちでひそひそ    声が聞こえる。 C.I.DA「2時間ぶりだね,社長」 C.I.DB「いつもより息巻いて役員会議を出てったから,さぞ自信があったと思ったのじ  ゃが,その表情をみるに,うまくいっとらんようじゃの」    ハース,顔を真っ赤して何か言い返そうとするが,堪えてメインモニタを睨みつけ    る。    量子のモニタに新着情報が表示される。それを見たヤマキ,ハースの前に出て, ヤマキ「ヴァンガード・ワンの信号を受信したようです。位置の特定を急ぎます」 C.I.DB「おや,なにかはじまるようじゃ」    C.I.DB,メインモニタを見ながら言う。    一同,つられてメインモニタを見る。曲が終わり,サイレンのMCが始まって    いる。
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