第一話:Siren & the Spooky Kids

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   サイレンに見入っていた社員たちも,エスぺランザを見て一斉に我に返る。 ヤマキ「救援部隊を組織します。量子」 量子「は,はい!」    量子,キーボードを叩き始める。 C.I.DA「へー,サイレンに負けず劣らずの人望だね,ヴァンガード・ワン」       C.I.DA,つまらなそうにそっぽを向く。睨み付けるハース。 ハース「彼女はウチのエースです。ここで失うわけにはいかない」 C.I.DB「ほ,捕まっておいてなおエース呼ばわりとは,悲しむ奴もおるんでな  いか?」 ○ライブ会場・正門(夜)    くしゃみをするローチ。眼前には地鳴りのような歓声があふれるコンサートド    ―ム。ジャケットからたばこを取り出し口元に運ぶ。仮面の下側が左右にスラ    イドし,現れた口でたばこを一本くわえる。たばこに自然に火が付き,これを    吸い始める。 ○CoCiD社・強制執行部発令室    ハース,険しい表情で, ハース「我々の持ちうる最高の戦力が敗れたのは大きな痛手ですが,次は必ず勝ちま  す。勝ちを明日につなげるためにも,彼女を失うわけにはいきません」 C.I.DB「もちろん,理想は彼女を起用しての勝利じゃろ,でもみてみぃ,完全にサイ  レンの”ワザ”にはまっとる」    メインモニタをみるハースとC.I.DB。ステージ中央のサイレンに向かってよろよ    ろ歩くエスぺランザが見える。 ○ライブ会場・正門(夜)    ローチ,一服しながらコンサートドームと,その周りの運動公園を見渡す。 C.I.DBの声「もう,なりふり構わず勝ちを拾わなきゃならんとこまで来てるんでない  かぇ?」    ローチ,口にくわえたたばこを左手でつまむ。    たばこはローチの指の中でボッと燃え上がり,跡形もなくなる。    仮面がもとの形に戻り,再びローチの顔をすっぽり包む。    ローチ,ネクタイを締め直してドームへ歩きだす。 ○CoCiD社・強制執行部発令室    ハース,C.I.DBを見て, ハース「兎に角,いまは彼女の救出が先です」 量子「突入部隊を新たに編成,現地へ急行させます」    ハース,C.I.DBをその場に残して量子のもとへ歩み寄る。 量子「念の為,現地に展開していた結界士隊にファイアウォールの展開を要請します」    量子,モニタを見ながら言う。 量子「ブレインよりファランクス,突入部隊の到着を待て,オーバー」
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