第一話:Siren & the Spooky Kids

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○ライブ会場・外周    ドームの外周を5mおきに結界士達が囲う。    簡易通信設備のそばにいる結界士が無線で答える。 結界士A「ファランクスよりブレインへ,有線通信系の構築が完了した。追って指示を待  つ,オーバー」 ○CoCiD社・強制執行部発令室    量子のデスクモニタにはドームの画像,それを取り囲む結界士達の位置が表示さ    れている。    モニタを見ているハース,一息ついて ハース「まだこれだけの生き残りがいたんだな,良かった」    量子,ちらっとハースのほうを見る。    傍らのヤマキが腰に手を当てて話す。 ヤマキ「社長,ヴァンガード・ワンに同行した結界士の行方は現在も捜索中です。今ド  ームに展開しているのはヴァンガード・ゼロの作戦に参加する予定だった者たちです」 ハース「ヴァンガード・ゼロだと?」    ハース,すっとんきょうな声を上げてヤマキを見る。 ハース「そんな・・・だれの許可をもらってそんな勝手なことを」    ヤマキ,さえぎるように, ヤマキ「社長本人からです。”好きにしろ”と。作戦は第二段階に移行しました。  が,急きょヴァンガード・ワン救出作戦に変更になった,という状況です」    ハース,開いた口がふさがらない。C.I.DA,C.I.DB,笑みを浮かべる。    量子,メインモニタを見て,素早く振り返る。 量子「ライブステージで動きがあります!」    一同,メインモニタに注目する。 ○ライブ会場・ステージ    観客席の方を向いて立つエスぺランザ。虚ろな表情。    サイレンが後ろから近づく。 サイレン「この人は,私を処分しようと企業から送り込まれてきた強制執行員です」    歓声に怒号や非難の声が混じりだす。 サイレン「私は,まだ歌っていたい。みんなの心に音楽を通じて語り掛けたい。かつ  て私が音楽に救われたように,今度は私がみんなの力になりたい!」    観客は歓声でもって答える。
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