0人が本棚に入れています
本棚に追加
○ライブ会場・外周
ドームの外周を5mおきに結界士達が囲う。
簡易通信設備のそばにいる結界士が無線で答える。
結界士A「ファランクスよりブレインへ,有線通信系の構築が完了した。追って指示を待
つ,オーバー」
○CoCiD社・強制執行部発令室
量子のデスクモニタにはドームの画像,それを取り囲む結界士達の位置が表示さ
れている。
モニタを見ているハース,一息ついて
ハース「まだこれだけの生き残りがいたんだな,良かった」
量子,ちらっとハースのほうを見る。
傍らのヤマキが腰に手を当てて話す。
ヤマキ「社長,ヴァンガード・ワンに同行した結界士の行方は現在も捜索中です。今ド
ームに展開しているのはヴァンガード・ゼロの作戦に参加する予定だった者たちです」
ハース「ヴァンガード・ゼロだと?」
ハース,すっとんきょうな声を上げてヤマキを見る。
ハース「そんな・・・だれの許可をもらってそんな勝手なことを」
ヤマキ,さえぎるように,
ヤマキ「社長本人からです。”好きにしろ”と。作戦は第二段階に移行しました。
が,急きょヴァンガード・ワン救出作戦に変更になった,という状況です」
ハース,開いた口がふさがらない。C.I.DA,C.I.DB,笑みを浮かべる。
量子,メインモニタを見て,素早く振り返る。
量子「ライブステージで動きがあります!」
一同,メインモニタに注目する。
○ライブ会場・ステージ
観客席の方を向いて立つエスぺランザ。虚ろな表情。
サイレンが後ろから近づく。
サイレン「この人は,私を処分しようと企業から送り込まれてきた強制執行員です」
歓声に怒号や非難の声が混じりだす。
サイレン「私は,まだ歌っていたい。みんなの心に音楽を通じて語り掛けたい。かつ
て私が音楽に救われたように,今度は私がみんなの力になりたい!」
観客は歓声でもって答える。
最初のコメントを投稿しよう!