第一話:Siren & the Spooky Kids

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サイレン「私は負けない。どんなルールにも,どんな圧力にも屈しない!」    エスぺランザの義体がぎこちなく動き出す。ロボットダンスのようだ。義体    が軋む音がする。 サイレン「私は歌い続ける。そして,立ちはだかる壁を壊して見せる。それが私を,  みんなを強くする!」    サイレンの話が終わると同時にエスぺランザの動きも止まる。    凄まじい破裂音とともに,エスぺランザの頭部が義体からはずれ,宙に浮く。    それと同時にステージ前面で紙吹雪が噴射される。曲が始まる。 ○CoCiD社・強制執行部発令室    エスぺランザの予期せぬ最期をメインモニタで目撃した一同。    ハース,メインモニタから目を背ける。それを見たヤマキ,考え込みながら    腕を組む。    量子,動揺を隠すように 量子「ヴァンガード・ワンのゴーストの消失を確認・・・」    一同,沈黙。他のオペレータの話し声と計器類の音だけが聞こえる。    突如,量子のモニタに着信の表示。    量子,ヘッドセットで対応にあたる。 量子「こちらブレイン・・・え?」    量子,振り返り, 量子「ヴァンガード・ゼロより通信です」    C.I.DAとC.I.DB,顔を向かい合わせて喜ぶ。ヤマキ,腕を組んで, ヤマキ「繋げ」 ○ライブ会場・正面入口    入り口へと歩くローチ,次第に歓声が大きくなる。 ローチ「ヴァンガード・ゼロよりブレイン。観客を非難させる。全員の非難を確認  次第,ファイアウォールを展開させてくれ,オーバー」 ○CoCiD社・強制執行部発令室 量子「了解」 ヤマキ「ヴァンガード・ゼロ,ヴァンガード・ワンの義体を破壊した者がいるはずだ。  そちらも処理してくれ」    ハース,ヤマキからヘッドセットを奪う。 ハース,深呼吸して, ハース「ローチ」    イヤホンからは歓声が漏れている。    ハース,歯を食いしばる。そして短く息を吸って, ハース「排除しろ。一人も逃すな」 ○ライブ会場・客席後方    ローチ,何も言わず通信を切る。周りには熱気に包まれたファン。全員目を    大きく見開いてステージを見ている。誰も瞬きをしていない。 ○ライブ会場・ステージ    サイレンとダンサー6人が曲に合わせて踊る。ステージ中央には頭がないエ    スペランザの義体が立ちつくしている。
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