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浩介の顔がぱっと明るくなる。
「ありがとう、志保。うれしいよ。次の週末の夜だけど、空いてるよね? あ、梢は俺の実家に預かってもらうから安心して」
ソファから立ち上がり、申し込みのメールをすると言って、そそくさと自分の書斎に向かっていく。
志保は苦笑した。梢を預けることは、あらかじめ実家の両親に頼んでいたのだろう。
これでよかった……のよね?
言い訳するように志保はつぶやいた。
だが、そのときは気づかなった。これがスワッピングという恐ろしい蟻地獄に堕ちていく入り口だったことを――。
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