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近未来。人類は一人の天才――皇蒼の手により、新たなコミュニケーション手段を獲得しようとしていた。意識と意識を繋ぎ、感情を伝える装置。その体験の場は、皇の才能を妬んだ男により妨害される。
結果、マシーンは暴走、意識を繋がれていた幼馴染の少年と少女――笹生玲央と姫乃ユウカは変な繋がり方をしてしまい、どちらか一方が活動している時、もう一方は深い眠りにつく、という状態に陥る。それにより恋人同然だった笹生とユウカは死に別れたわけでもないのにコミュニケーションを取ることが出来なくなる。
衝撃を受けるものの、ふたりの相手を思う気持ちは変わらない。いつか元に戻れると信じていたし、そうでなくとも、お互いが別の相手を選ぶことなどないと思っていた。
時がすぎるごとに、しかしその想いはだんだん風化して行く。いくら相手のことを想おうと、今のままでは会話することが出来ないのだ。それは想像以上に辛いことだった。
小さな頃から共に過ごしてきたふたりは、お互いがお互い以外の異性を恋愛の対象として見ることができないでいたが、今の状態になってから、それが少しずつ変化していた。ふたりはやがて、お互い以外の異性を魅力的に感じはじめていることに気付き、戸惑う。
それでもふたりはビデオレターを交換したり、その他にも様々な工夫を凝らすことで相手のことを忘れまいとする。
日々、魅力的な異性に囲まれながら。
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