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桜の樹の下で夢を見るって、どういう場面なんだろうなんて、あのときは思いもしなかった。ふーん、いいこと言ったのかな?、ちょっと気障っぽいけどね、とそう思っただけだ。いくらか経って思い返すと、桜の樹の下で夢を見るってどういうこと?と首をかしげていた。夢を見るんだから眠っているんだろうね。桜の樹の下なんだから屋外なんだよね。屋外で眠るなんて、それだけで特別なことになっているんですけど、大丈夫なのかな、とツッコミたいところだらけだ。ああ、そうか、もしかするとあいつ、自分の言葉に酔っていただけなのかとも思う。これも今だからそう思えることなんだけど、そういう年頃って、たしかにある。それをカッコいいかも?って思うのと同じで、あいつもわたしも子供だったんだろう。
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