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僕と同じように地方から上京してアパートの独り暮らしで銭湯通いをしている大学の友達もいて、銭湯で会うこともよくある。
銭湯では、まず体をきれいに洗い流して、湯船に浸かるのがマナーだ。
湯船は少し熱めのお湯だが、入ってしまえば心地良い。
湯船に入って気持ち良くなりながら友達と話したり、近所の人と話をする時間は、意外に楽しい有意義な時間になっている。
これも、僕がお金がないから風呂付アパートに住むことができなかったことが幸いして得られた貴重な時間だと思っている。
ある日野呂さんと銭湯で会って、お互いに湯船につかりながら話をした。
「若林君は、医学を勉強しているんだよね?
勉強は難しいだろうねぇ!」
「はい、医学は難しいですね!
僕は、外科医になりたいと思っています。」
僕が答えると、野呂さんがこんなことを話してくれた。
「目の前で人が苦しんでいるときに、医学で助けることができることは良いことだね!
でも医学で延命するのは、運命に逆らっているような感じもするんだよね!」
確かに野呂さんが言っていることはわからないでもないし、奥が深いと感じた。
「余計なことを言っちゃったかな?
でも、医学で人の命が救えることは、とても素晴らしいことだから若林君は頑張ってね!
若林君なら、きっと良い医者になれると思うよ!」
野呂さんが僕を励ましてくれた。
「はい、ありがとうございます。
今は人を助けることができる医者になるために頑張ります。」
僕は、野呂さんの期待に応えるように返事をした。
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