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もしかして、ひめなりにはボクをなごませようとしてくれたのだろうか。
「生活雑貨店が、どうかしたの?」
「……なんでも、ないの」
ひめは、今度は頑なにそう言うから、聞き返せなくなってしまった。
「ああ、そうだ、ひめ」
「なに?」
「昔、どこかに『泥棒村』って言われる場所があったんだって。
そこの町はとても閉ざされていて雪深くて、流通も少なく、人々は盗みで生計を立てた」
「それで?」
「毎月か毎週か知らないけど、たまに運ばれてくる物資は、そこのリーダーの人たちが選別しててね、
少し遠くにある町まで行ってきて、定期的に盗みを働いて集めてきては、村に配っていた」
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